広島市からの依頼を受け、被爆80周年 平和記念式典開催の周知ポスターを制作しました。
創造表現コース2年生 7名が制作に関わり、まずは各々が「これからの平和」「被爆80周年というタイミングで、どのようなかたちで式典を周知すべきか」考え、ポスターデザインのアイディアを持ち寄ることから始めました。
13個の案を統合したり、よりブラッシュアップしたりと試行錯誤し、最終的に4種類のポスターが完成しました。
6月25日には市長表敬の場を設けていただき、松井市長をはじめ、関係機関の方々に完成品をご覧いただくことができました。









デザイン、制作の意図

絵本をイメージし、あたたかみのある手描きの雰囲気で、万人に親しまれるデザインを目指しました。
豊かに木々が育つこと、そこで多様な人々が生きていけることを「平和」と捉え、オリーブや折り鶴などの平和の象徴を加えて可愛らしく表現しています
画材は水彩絵の具と色鉛筆を主に使っており、手作業の良さを味わうことのできる1枚になりました。

生徒の「平和というのは、角がなく、丸い形をしていると思う」という発想から、円形を組み合わせ、「80」をシンボリックにアピールするデザインです。
80と認識してもらえるラインを維持しつつ、傾き・切り方なども工夫しました。
中央には、戦後の広島の復興を見つめてきた原爆ドームを据えています。
原爆の恐ろしさ、80年の歳月、平和への祈りなど、さまざまな意図を込めて、明るすぎず、暗すぎず、受け取り手に印象を委ねるような配色にしました。

多くの人が「平和」のイメージを持つであろう鳩を取り入れ、ハンドサインがより際立つ構図を目指しました。
「これからの平和を築き、維持する世代への求心力を」という思いから、手のモデルには高校生を起用しました。

鳩の対となる、折り鶴のシルエットを用いたデザインです。並べて掲示することも想定しています。
制作に関わった生徒の感想
今回は、複数人で共同作業してポスターを制作しました。原爆や平和に対する思いがそれぞれ違う中で、たくさん意見を出し合いました。さまざまな案があり、制作中はみんなたくさん悩みましたが、無事に完成することができてよかったです。共同での制作、行政の方との話し合いはとても良い経験になりました。
市長表敬に伺った際には、1人1人がポスターに込めた思いや感じて欲しいことを伝えました。デジタル、アナログそれぞれの良さが出ているポスターを実際に見て、被爆80周年、平和について改めて感じて欲しいです。
(2年 上村/木のイラストを用いたポスター担当)
私は、手の上にハトの絵が描いてあるポスターと折り鶴が描いてあるポスターを作成しました。
手は基町高校の生徒の手を使わせていただいています。角度や光の当たり具合を調整しながら、しっくりくる写真が撮れるまで何枚も写真を撮りました。
市長表敬では、市の方々が私たちの話をとても熱心に聞いてくださいました。私たちが作成したポスターについてたくさんのコメントをいただいて大きな達成感を感じました。
私たちのポスターを見て、たくさんの人に被爆80周年ということに気づき、平和について改めて考えていただきたいなと思いました。
(2年 楳本/ハンドサインを用いたポスター担当)



8月6日までの約1ヶ月間、全4種類のポスターが、広島市、長崎市で掲示されます。(広島市と大阪府にて、デジタルサイネージの掲示もあり)
ぜひご覧ください。

